漆黒堂

人生を無彩色で彩りたい。

想い出の豆ごはん

f:id:shikkokudo:20170326134110j:plain

珍しく娘が買い物に同行した日曜日。どうせお目当てはお菓子だろう。

「そんなんじゃないけど?」

口調ばかり大人風だが、普段の行動は再来年で中学生になるとは思えない有様だ。まぁ、親に似て外面だけは良いらしく、周りからはしっかり者と勘違いされているが、本当のところは完全無欠の甘えん坊さん。

必死にお菓子コーナーへ誘導しようと試みる娘であったが、ある程度買い物が終わるまでは良い子のままでいて欲しい。お互いの駆け引きは、未だ終わらない。そんな中、娘が青果売り場であるものを指さした。

「あ、ミックスベジタブルに入ってるお豆だ。ね、そうでしょ?」

その通り、グリーンピースである。

「へぇ~、鞘に入ってるの、初めて見た。」

そうか・・・もう、何年も前の話だものなぁ。確か、あの時は幼稚園児だったっけ。

 

f:id:shikkokudo:20170326135903j:plain

やっぱり、あの時も同じようなセリフであった。将来素敵なお嫁さんになってもらいたいと願い、出来る限りのお手伝いをさせようとしていた我々夫婦。最初の一つは手こずったものの、後は上手に、そして嬉しそうにパキンパキンと鞘を割る娘の顔が懐かしい。そして、小さな手からこぼれ落ちる緑色の小さな粒は、あっという間に器を満たすのだった。

 

f:id:shikkokudo:20170326140714j:plain

「おかあさ~ん、早くこれをご飯にしてぇ~♪」

喜々として母親に駆け寄る娘。「おいおい、両手がふさがってるのに危ないぞ!」と、怒っていても顔は笑っている私。

「ねぇ、まだなの?もうすぐ出来る?」

まだ炊飯器のスイッチを入れたばかりなのに、炊けるまで何度聞かれたことか。

 

f:id:shikkokudo:20170326141240j:plain

スプーンの持ち方、エプロンにご飯粒を食べられている事、今なら厳重注意の行為であるが、私の口から出る言葉は「どう?美味しい??また、食べたい?」ばかり。どうやら、しつこい娘の事など笑える立場では無いらしい。

 

f:id:shikkokudo:20170326141714j:plain

「本当に覚えてないのか?」

何度聞いても首を横に振る娘。そうか・・・。

ちょっと寂しい気もした。

思えば・・・最近の私と言えば、娘との時間を大切にせず、この様なくだらない内容のブログに勤しんでいる毎日である。う~む、このままではマズい。

よし、今日の献立は決まった!

そんな懐かしい想い出の豆ごはん、もう一度共同作業で調理すれば、あの時と同じように喜んでくれるハズだ!意を決して娘に問いかける。

「え~、メンドウ臭い。それより早く、お菓子買ってよ!」

・・・既に修復不可能な親子関係。

買わずじまいの鞘をグッと握りしめ、虚しいワタシの手がほんのりエンドウ臭い、、、

もはや、そんな親父ギャグを絞り出すのが精一杯の私なのであった。