漆黒堂

人生を無彩色で彩りたい。

禁忌の食材

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何を隠そう、私は競馬が大好きである。確かナリタブライアンが三冠を取る前の年から興味を持ち始めたので、とりあえず競馬歴は20年以上になるようだ。一応、馬券は嗜む程度を自負しているが、長い年月をかけてコツコツと負けを積み上げており、トータルすると結構な金額のマイナスになるかも知れない。かろうじて人生を棒に振る程では無いだろうが。

ちなみに、これまでで一番好きな競走馬は?と問われてもどれが一番などと決められないが、強いて挙げるならば皐月賞と菊花賞を勝ったエアシャカールという牡馬(オスの馬という意味)だろう。それはもう、芸術品と見まごうほどの美しく雄大な馬体を持ち、且つ誰しもが聞いたことのある大レースを二つも勝ったというのに、当時主戦ジョッキーだった天才武豊をして、「頭の中を見てみたい」と言わしめたヤンチャ坊主っぷりが大変魅力的であった。

 

 暗黙の了解

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競馬の楽しみ方は人それぞれ。単にスポーツとして観戦するのも面白いし、ギャンブルとして割り切ってしまうのもありだろう。歴々と続いている血統を追いかけ、自分の好きな馬の子孫を応援していく事などは、正に競馬の醍醐味なのであろうし。

まぁ、そんな感じで、どの競走馬が一番好きか、或いはどれが一番強かったのか、はたまた次のレースは一体何が勝つのか、こういった類の話を熱く語り合うのが好きな競馬ファンは非常に多い。

一方、馬肉を食べるかどうかで喧々諤々の論争を繰り広げる競馬好きのオッサンには、少なくとも私は遭遇したことが無い。それどころか、先程まで延々とその饒舌ぶりを披露していた人間も、この話題を振った途端に黙ってしまう事さえあったのだ。

それは何故だろうか。真の競馬ファンを自称するならば、馬肉を食べないことが言うまでもない常識だから、という事か?

あるいは・・・

 

輝かしい栄光に隠れた闇

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実際問題、生まれてきたサラブレッドの大半は屠殺され、飼料用の肉へと加工されてしまうのが現実なのだそうだ。この運命から逃れられるのは、非常に優れた競争成績を残すか、もしくは生まれながらにして繁殖馬になることが決まっていた超良血馬、というほんの一握り。

つまり、テレビや新聞のスポーツ欄で見たことがあるような比較的有名な競走馬であっても、その大部分は例外無く屠殺場行き、ということなのだ。人間の手によって、速く走る事だけを目的に作り上げられ、価値が無ければ用無し・・・何とも厳しい世界である。

結果を残せなければクビ、一方では親の七光りで能力が無くても生き残る、この辺りは何処かの世界でも聞いたことのあるような話。

が、逆を言えば、実力次第では大きな成功を掴むことも出来る・・・。

そんな事、当事者では無いからこそ吐ける台詞なのだが。

 

究極の美味

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正直に言おう。私は馬刺しが大好きである。数ある獣肉の食べ方の中でも、恐らくトップクラスの美味しさであるとすら思っている。

まぁ、こうして競馬ファンであるにもかかわらず、平気な顔をして馬肉を食べると公言できるのは、流通している殆どがカナダや南米辺りで最初から食肉用として飼育された馬であり、競走馬が馬刺しになる事は限りなくゼロに近いと考えているのが大きな理由なのだが。

しかし、仮に供されたのが競走馬の馬刺しであったとしても、恐らく口まで運ぶのに躊躇することは無いだろう。それについて、競走馬と食肉用馬の奪われた命は同等であり、そうやって他の命を頂戴することが人間の業なのである、なーんて綺麗ごとを並べ奉るつもりは毛頭ない。ただ単に、馬肉の美味さを知っているからこそ、目の前にある御馳走を我慢することが出来ないだけなのだ。そう、私は冷酷かつ欲に塗れた罪深き男。

ゆえに、地獄行き決定。

少なくとも、ハズレ馬券地獄には堕ちそうだ。イヤ、もう既に堕ちているか。

あぁ、万馬券天国への階段は何処に・・・